こんな方におすすめの記事です
- モバイルホットスポットでVPN接続ができず悩んでいる方
- 外出中でも安全なVPN通信を確立したい方
- VPNを快適に活用するための実践テクニックを探している方
- ストリーミングやオンラインゲームに最適なVPNを求めている方

スマートフォンやタブレットのモバイル通信を活用したテザリング(Wi-Fiホットスポット)は、今や当たり前の機能となった。4Gや5Gといった高速通信技術の発展により、固定回線と遜色ないスピードでインターネット接続が可能になり、外出先や移動中でも安定したネットワーク環境を手軽に構築できる時代になっている。
しかし、テザリング接続でVPNサービスを利用しようとした際、突然接続が切れてしまったり、そもそも接続できなかったりといった問題に直面するケースがある。
本記事では、このような不具合が発生する技術的な背景と、すぐに実践できる効果的な解決策について詳しく解説していく。
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この記事は、20社以上のVPNサービスを実際にテストしてきたRamune VPN専門チームが作成している。確かな検証結果に基づいた信頼できる情報をお届け。
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テザリング中にVPN接続が不安定になる原因
通常のWi-Fi環境と同様に、テザリング接続でもVPNが問題なく動作するはず——そう考えるのは自然な発想だ。
しかし実情は異なり、モバイル通信回線特有の仕組みが要因となって、以下のようなトラブルが発生する可能性がある。
4G・5G回線との互換性の問題
4Gや5Gの通信規格では、IPアドレスの割り当て方式が独特で、VPN接続に悪影響を与える場合がある。とりわけ、これらのネットワークではIPv6プロトコルが採用されているケースが多く、IPv6とVPNの組み合わせは相性が悪いことで知られている。その結果、個人データが漏洩するリスクが増大したり、接続自体が失敗したりする不具合が生じやすくなる。
通信ポートの遮断
VPNは特定の「通信ポート」を経由してデータを送受信するが、携帯キャリアのセキュリティポリシーや端末の防御システムによって、該当ポートがブロックされることがある。
VPN設定の最適化不足
端末にプリインストールされているVPN設定が、テザリング環境下での通信に最適化されていないケースも少なくない。
キャリアによるVPN通信の規制
一部のモバイル通信事業者は、VPN通信に対して規制をかけている場合がある。このような状況では、別の回線への切り替えや、VPN通信を隠蔽する専門技術の導入が必要になる。
テザリング環境下でVPNを正常に動作させる実践的な方法
テザリングに接続したデバイスでVPNを稼働させる手法は、複数存在する。原因の特定が困難な場合も多いため、これから紹介する対策を上から順に試していくことをおすすめする。
なお、ここで解説するのは「テザリングに接続されているクライアント端末側」でVPNを利用する場合の解決策。テザリングを提供している親機(スマートフォンなど)でVPNに接続し、その状態を他の端末へ共有することは技術的に不可能。
1. 両端末の再起動を実施
テザリング設定を行った後、両方のデバイスを再起動せずに接続を試みると、古い通信データが残存していて接続を妨げる場合がある。
まずはテザリングを提供する親機(スマートフォンなど)を完全に再起動し、その後でVPNを使いたい子機も再起動する。このシンプルな手順だけで、通信環境がリセットされ、問題が解消されることが非常に多い。
2. 通信規格を3Gへ切り替え
4Gや5Gとの互換性問題を回避するために、テザリングの通信方式を3Gに変更する方法が有効。速度は若干低下するが、VPN接続の安定性は大幅に向上する。
Androidの場合は、「設定」→「モバイルネットワーク」→「モバイルデータ」→「優先ネットワークモード」と進み、「3Gのみ」を選択。
iPhoneの場合は、「設定」→「モバイルデータ」→「モバイルデータオプション」→「音声とデータ」から「3G」を選択する。
3. IPv6の無効化設定
AndroidでIPv6がVPN接続を妨害しないように設定するには、次の手順を実行する。
「設定」→「モバイルネットワーク」→「モバイルデータ」→「アクセスポイント名(APN)」へ進む。情報アイコンをタップして「APNプロトコル」を確認し、「IPv4のみ」を選択。
iPhoneではこの詳細設定は実行できないが、3G通信を使用していれば問題は発生しない。
4. 通信ポートの確認と調整
多くの携帯キャリアは、セキュアな通信を実現するために「ポート443」を標準で使用している。VPNアプリもこのポート番号を使うように設定しておくことが重要。
VPNアプリを起動して、設定メニューから「接続設定」や「プロトコル設定」を探す。OpenVPNを利用する場合、通常はポート443か1194が使われる。ポート443が選択されているか必ず確認しよう。
WireGuardプロトコルも、多くの場合ポート443に対応している。一方で、IPSecやIKEv2はポート500を使うため、テザリング環境では避けた方が無難だ。
5. ステルス機能や難読化技術の活用
厳格な規制を設けている携帯キャリアを使っている場合、VPN通信を隠蔽する必要があるかもしれない。優れたVPNサービスでは、「ステルス機能」や「難読化技術」といった高度な機能が用意されている。
これらの機能を使うと、VPN通信を通常のウェブ閲覧と偽装することができる。さらに上級のサービスでは、ダミーの通信を生成してキャリアの検知システムを欺く機能も実装されている。
6. 別のVPNサービスへの切り替えを検討
これまでの対策をすべて試しても改善せず、現在使っているVPNに高度な機能が搭載されていない場合は、他のサービスへの移行を検討してみてほしい。
高速かつ安定したサーバー群と充実した機能を提供する、コストパフォーマンスに優れた月額・年額プランを用意しているVPNサービスは数多く存在する。
まとめ

テザリング利用時にVPNが接続できない問題は、適切な対処法によって多くの場合解決可能。3G通信への切り替えが最も確実性の高い手段だが、IPv6の無効化や通信ポートの調整、VPN設定の見直しなども有効な方法だ。
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